SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE

人馬一体=「クルマが自分の体の一部になったかのような一体感」の深化。

クルマとの心地よい一体感を実現した、独自の車両構造技術。

人の体には自然とバランスを取ろうとする能力が備わっています。
これをクルマづくりに応用して誕生したのが、SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)。
乗る人すべてがクルマの動きを自然に感じることができる、心地よい走りを生み出します。

自分の足で歩いているかのような、クルマとの心地よい一体感を追求。

移動における人間の理想状態とは何か。マツダが導き出した答えは、「歩行」でした。例えば人間は歩くとき、段差を越えたりしても特に揺れを感じることなく進むことができます。それは、人の体には自然にバランスを取ろうとする能力が備わっているから。マツダは、この能力をクルマづくりに応用しようと考えました。そうして生まれたのが、究極の「人馬一体」を目指した車両構造技術、SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREです。座れば骨盤が立ち、背骨が自然なS字を描くシート。路面からの力を遅れなく、滑らかに伝えるボディとシャシー。これらが一体となって機能するため、乗員が無意識に体のバランスを取りながら、クルマの動きをまるで自分の体のように感じることができる心地よい走りを提供します。

SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE搭載車ってどんな乗り心地?

これはMAZDA3のデビュー前の試乗を通じて応募された一般ユーザーの方に体験して頂いた動画です。

技術解説だけではわからない、試乗体験された方々の様子を是非動画でご覧ください。

人間の歩行状態を再現する仕組み

「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」では、この「人間の体が本来持っているバランス保持能力を最大限に活用」することを目指しました。
ここからは、そうした考え方を取り入れて開発した「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」の主要技術をご紹介していきます。

シート ~脊柱のS字カーブを維持~

乗車時においても骨盤が立ち、脊柱がS字カーブを維持できるように座らせるため、シート構造に最新の人間研究の知見を織り込んでいます。

人間の腰椎を支えることで骨盤が後ろに倒れることを防ぐとともに、胸郭重心部 *1 を包み込むシート形状・硬さにすることで脊柱がS字カーブを維持できるよう支持。さらに大腿部の支えを独立して調整可能にし、すべてのお客さまに理想の運転姿勢を提供できるようになりました。

その上で、ばね上から人体まで直線的に荷重が伝達するよう、シート内部機構の剛性も高めています。

*1 胸郭重心部は上半身重心の存在する場所で、身体の重心に大きな影響を与えます。

ボディ ~力の伝達を遅れなく~

ボディ骨格を従来の上下左右に加え、前後方向にもつなぎ多方向に環状構造化することにより、四輪対角剛性が向上し、遅れなく力が伝達されます。これにより、フロントからリアの対角への入力時間の遅れが30%短縮可能になり、人間が持つ「自然に振る舞う」動きにクルマの動きがより一致するようになりました。

シャシー ~ばね下からの入力を滑らかに~

路面からの入力は、サスペンションを通ってボディへと伝わります。「SKYACTIV-ARCHITECTURE」では、従来のばね上に伝える力の「大きさを低減する」という考え方から、ばね上に伝える力を「時間軸で滑らかにする」という考え方に変えて設計し直しました。

サスペンションの前後支持剛性、タイヤ、アーム、バネ、ダンパーの各部品が時間軸で、順番に相互に連携することで、ばね上の動きの唐突さを整えます。また、タイヤの上下バネをこれまで固くしてきた方向から、柔らかくする方向に変更し、タイヤゴム本来の持つ振動吸収・減衰の機能を活かすようにしました。

また、この開発においては「G-ベクタリング コントロール」による操舵時の荷重移動を積極的に活用し、タイヤのグリップ力を遅れなく発生させることで、実現させています。

NVHもさらに進化!

人間が持つ能力を最大限に活かすためには、静粛空間を提供することも重要なファクター。「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」では、NVH *2 性能も大きく進化させました。

人間が音を感じ取るメカニズムを研究し、音の「大きさ」だけでなく、音の「時間変化」や「到来方向」に注目し、ボディに入った振動エネルギーを減衰させるようにしました。そのために、減衰節や減衰ボンドを効果的に構造に配置し、一段上の質の高いNVH性能を実現しています。

*2 NVH:Noise Vibration Harshnessのこと。自動車における、騒音・振動・乗り心地を表す言葉。

SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREを動画で解説

文字で説明すると難しく感じしまいがちなSKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE。

判りやすく解説した動画、関連する情報の動画をご紹介します。

「なぜ人間の歩行に目を付けたのか」「なぜ骨盤を立てることが大事なのか」
独自の車両構造技術SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREについて開発に携わったエンジニアが登壇しご紹介します(ブランドスペース大阪でのトークセッションの模様です)。

マツダの開発哲学である“人間中心設計”の思想。この映像は「マツダが何故歩行状態が理想だと考えたか。それをどのように運転状態でも実現し、どの様な価値を全てのお客様にもたらすのか」、を説明します。

SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREは新世代車「MAZDA3」「MAZDA CX-30」の他、

MAZDA2、CX-5にも一部(シート及びサスペンション)にその考え方が取り入れられています。